尿漏れ悩み解決〜切迫性尿失禁の対処法part 1〜

 

こんにちは

今回は、前回までにご説明した切迫性尿失禁(突然強い尿意を感じ、尿漏れをしてしますこと)に対する対処法について説明したいと思います。

前回ご説明したように、色々な原因で切迫性尿失禁が出ますが、

原因に関わらず有効な方法、それぞれの病気に特化した方法の二つに分けることができます。

 

ここでは、原因に関わらずできる対処法について書いていきたいと思います。

 

尿漏れの対処法(行動療法)とは??

 行動療法とは、薬や手術などで治すのではなく、自宅でできる生活指導と理解ください。

いくつかの方法があるので、それぞれ説明していきたいと思います。

 

飲水の調整

 最近よく血液をさらさらにしましょう!と健康番組で水を飲むことを勧めているのを目にされるのではないでしょうか。たしかに脱水になっていると血液はどろどろになり、脳梗塞などの病気の原因となってしまう可能性があります。

 

 しかし! たくさん水を摂取したところで、実は腎臓が反応して尿をたくさん作るだけなんです。

 結果として、尿の回数が増える、尿漏れがひどくなる、など症状の悪化に繋がります。

 これって、意外とよくあることなんです!

  飲水を調整するだけでもおしっこの回数は減るかもしれません。

 

ここで一つ!みなさんにご紹介したいものがあります。それは

 

『排尿日誌』です!

下の図をごらんください。このように、毎回のおしっこの時刻と、出た量を記録するだけで誰でもご自宅でできます。

       昼間

      夜間

時刻

排尿量 (ml)

時刻

排尿量 (ml)

7:00

200

2:00

200

9:00

400

6:00

400

11:30

300

 

 

15:50

400

 

 

20:00

400

 

 

23:00

400

 

 

この記録から、非常に多くの情報を得ることができ、僕達も外来でよく行っている評価法です。

詳しくは別のページでまとめたいと思いますが、こういった記録をすれば、水の飲みすぎかどうかは簡単に判断がつきます。

1日の尿量が2l以上の場合、水の飲みすぎの可能性があります。

ただし、尿量が多くなるほかの病気もあるため、一概に飲みすぎとも断定はできませんので、ご注意を。

 

体重のコントロール

肥満は以前から切迫性尿失禁だけでなく、腹圧性尿失禁(咳や運動の時に尿が漏れる)の原因としても良く知られています。

肥満の方は、体重を適正体重に近づけることにより、切迫性尿失禁が改善する可能性があります。

実際に、いくつかの研究で、減量の有効性を示した報告がされています。

 

また先日ご説明した通り、メタボリック症候群は過活動膀胱(かかつどうぼうこう)の原因となります。減量だけでなく、高血圧、糖尿病、高脂血症などの治療をしっかり行うことも重要です。

 

以上、今回は切迫性尿失禁の対処法として、飲水調整、体重調整などについて書きました。

 その他の治療法については、また次の記事でまとめたいと思います。

 

bobyons.hatenablog.com

 

それでは本日も最後までおつきあいくださり、ありがとうございました。