尿漏れ悩み解決〜切迫性尿失禁の原因について考えてみよう〜

 

 

 みなさんこんにちは。

この回では前回ご説明した、

切迫性尿失禁について書きたいと思います。

 

 

前回からの繰り返しになりますが、

  • 尿が近い、
  • 突然おしっこがしたくなり、トイレに間に合わずに漏れる

などでお困りの方は、このタイプにあたります。

 

おしっこをしたい!! と感じる知覚が過敏になった状態のために生じます。

最近は『過活動膀胱(かかつどうぼうこう)』として、よくメディアでも紹介されているかもしれません。過活動膀胱は、突然強い尿意を感じる症候群です。

 

切迫性尿失禁の原因

前立腺肥大などの膀胱出口部が狭くなるような病気

②脊椎(せぼねのこと)や脊髄(せぼねの中の神経)の病気などがあることもあります。

③原因不明など

前立腺癌や膀胱癌などが原因のことも(これについては別のページで書く予定です。)

 

今回はこれらの原因について考えてみましょう。

 

前立腺肥大症について

 まず下の絵を見比べてください。

左が正常、右が前立腺肥大の絵です。

前立腺は、膀胱の出口部にある臓器です。正常な大きさであれば左の絵のようにおしっこの出口にいるだけです。f:id:bobyons:20181106112243j:plain

 

しかし、右の絵のように前立腺が肥大(大きくなること)すると、出口の通路が狭くなりおしっこの勢いが悪くなります。

これが前立腺肥大のはじまりです。

 

 

ここで見ていただきたいことがあります。上の絵の膀胱を比べてみてください。

膀胱の壁が分厚いんじゃない?っと思われた方! 正解です。

 

 

実は前立腺肥大があると、尿が出にくいことに膀胱が反応して壁を分厚くし、おしっこを押し出す力を増強するのです。

いわゆる「マッチョな」膀胱になります。

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この変化があるために、膀胱の知覚が敏感になってきます。

 

 

これが、前立腺肥大による尿漏れの原因なんです!

 

脊椎や脊髄の病気

背骨やその中の神経の病気になると、頻尿や尿漏れがでることがあります。その理由について説明します。

下の絵は、脳、脊髄、膀胱の関係を示しています。この3者は密に連絡をとりあっており、おしっこを出す時には脳が指令を出し、脊髄が指令を伝達し、指令を受けた膀胱がおしっこを出す という関係です。

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高校野球に例えると、監督(脳)が指令を出す、伝令(脊髄)指示を伝える、投手(膀胱)が指示を受け、仕事をする、 の関係でしょうか。

 

もし、背骨に異常があり、脊髄に影響が及んだり、脊髄自体の病気になると、脳と膀胱の間の連携ができなくなり、脊髄~膀胱の間で勝手に仕事をはじめてしまい、切迫性尿失禁が出ます。

 

これも、高校野球のたとえで続けると、

伝令(脊髄)が暑さで熱中症になり、意識もうろう状態(脊椎や脊髄の病気)となります。すると伝令が監督を無視して、投手(膀胱)に指示を出してしまいます。

結果として、監督(脳)の方針に合わない、仕事(尿漏れ)を投手(膀胱)がする  ということになります。

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高校野球で非常にうまく説明ができましたね(笑)

また脳(監督)自体の病気(例えば脳梗塞パーキンソン病)でも、切迫性尿失禁を来すことは知られています。

 

原因不明の切迫性尿失禁

実は過活動膀胱、切迫性尿失禁の多くは、原因不明です。

しかし、最近いろいろな知見が得られてきています。

それはメタボリック症候群と過活動膀胱の関係です。

メタボがあると、全身の動脈硬化が起こり、心筋梗塞脳梗塞などを引き起こすため、

近年非常に注目されています。

 

実は!!

メタボは膀胱の血管にも動脈硬化を起こすことが分かっています。結果、尿が近い、漏れるといった症状がでると言われています。

 

従って、原因不明の過活動膀胱、切迫性尿失禁の中には、メタボが影響している場合もあるのです。

 

以上、本日はあなたがお困りの切迫性尿失禁(突然強い尿意を感じ、おしっこを漏らす状態)の原因となりうる、主な病気について説明しました。

次回からは対処法について書いていきたいと思いますので、楽しみにしていてください。

 

それでは本日も最後までおつきあいくださり、ありがとうございました。